ぼくが、紙の帽子をかぶり新しいラッパを持って、森へ散歩に出かけると、ライオンや象、くま、カンガルーなどが、散歩についてきました。ぼくたちは、森の中でピクニックをしたり、ハンカチ落としをしたりして遊びます。最後にぼくがかくれんぼうの鬼になって目を開けると、動物たちはいなくなっていて、かわりにおとうさんがいました。ぼくは肩車をしてもらって、家へ帰ります。
動物たちのしぐさや表情は、いかにもその動物らしく、また温かみを感じさせます。白地に黒一色で描かれた、広がりと奥行きのある森は、現実感を伴った不思議の世界へ子どもたちを連れていってくれます。地味ですが、静かに深く心の中に入っていく絵本です。
■福音館書店 ■1963年
■40p ■19×26cm
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