パリの蔦の絡んだ古いお屋敷に、12人の女の子が先生のミス・クラベルと住んでいました。12人は食べるのも寝るのもいつもいっしょ。2列になって9時半に、降っても照っても散歩にでました。中で一番おちびさんで、元気なのがマドレーヌ。ネズミだってこわくないし、トラもへいっちゃら。ところがある晩、マドレーヌがワーワー泣き出して…。
盲腸の手術をしたマドレーヌをお見舞いに行くと、おもちゃやキャンディはたくさんあるし、おなかには立派な傷を持っているし、とうらやましがる他の子たちの気持ちには共感を覚えます。背景にパリの名所が丁寧に描かれ、洒落た雰囲気を醸し出しています。文章には心地よいリズムがあり、声に出すと楽しくなります。続きには『マドレーヌといぬ』『マドレーヌといたずらっこ』『マドレーヌとジプシー』など。
■福音館書店 ■1972年
■46p ■31cm
|