あるとき、ウサギは山の神様に、自分はちっぽけでいじめられてばかりいるので体を大きくしてほしいと頼んだ。神様が、トラとワニとサルを殺し、その皮を持ってくれば願いをかなえてやろうと答えたので、ウサギは知恵を絞って3匹を殺し、神様のところへ持っていった。けれども神様は、知恵のあるものに力を与えれば恐ろしいことになると言って、ウサギの耳だけを長くしてやった、というメキシコの昔話。
長くメキシコに住んだ日本人作家による絵は、素朴で力強く、風土色豊かな雰囲気をよく表している。昔話によくあるなぜなぜ話で、単純だが、飽きさせない。
■福音館書店 ■1962年
■32p ■31cm
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