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ホーム > 鳥取県図書館協会 > 主要事業について > 発掘!図書館エピソード大賞 > 第4回「本、書店、図書館にまつわるエピソード大賞」受賞者・エピソードのご紹介

第4回「本、書店、図書館にまつわるエピソード大賞」受賞者・エピソードのご紹介

本、書店、図書館にまつわる"ちょっといい話"を募集したところ、27編の応募をいただきました。
選考の結果、大賞1編、優秀賞2編、本部門賞1編、書店部門賞1編、図書館部門賞1編が決定しました。
受賞者には、表彰状と副賞(図書カード)を贈呈します。

大賞「友人と書店」 

櫻井 美咲 さん

私は勉強時間を削る程読書が好きなので、週に2回は必ず書店へ足を運びます。その書店にはいつもお婆さんが1人いて、本を楽しそうに選んでいます。話をするようになったのは、2人とも手をのばした本が同じだったからというありがちな理由です。けれど彼女が教えてくれる本はどれもとても素敵で面白く、読み終えてから彼女と意見を交わす時間も私にとってどんな時間にも代え難いのです。私は彼女の名前も知らないし、会うのは書店で偶然会った時だけです。それでも私にとって彼女は最高の友人だし、書店は最高の憩いの場です。今年もすでに2回、書店に足を運びました。その内一回、彼女と会って話をして、2時間程一緒に本を選びました。きっとこれからもこの不思議な友人関係は続いていくのだろうと思います。高校生とお婆ちゃん。彼女と出会って今までよりちょっと日常が楽しくなりました。だからやはり、書店に行くのは良い成績より、スマホやゲームより、どんなものよりも私の最高級の幸福です。

優秀賞「私に「本」を教えてくれた恩人」

山根 裕子 さん

私は高校生の時に交通事故に遭い、長期入院しなくてはいけない事になりました。小さな町での交通事故は、あっという間に町内に広がりました。そんな時、入院している私の元に図書館の当時の職員松田さんが、図書館の本を何冊か選んで持って来て下さいました。松田さんは、日野町図書館が今の場所に移転する前に私設で本とふれあえる場を作っていた方で、私も小さい頃にお世話になり、そこで絵本の楽しさを教えてもらいました。
「入院中は退屈だと思うから、好きな本を選んでね。」と声をかけて下さり、とても嬉しかった事を今でも覚えています。高校生になり本を読む事から少し遠のいていた時に、松田さんがくれた「本とふれあうきっかけ」。
ゆっくりとたくさん本を読む事ができ、あれから24年経った今でも、私は本が大好きです。松田さんはすでにご退職されていますが今でも日野町図書館に行くと、松田さんの事を思い出します。松田さん、私に本の楽しさを教えてくれてありがとうございました。(利用した図書館:日野町図書館)

優秀賞「本は友だち」

柿本 陽菜 さん

475。これは私が一年間で読んだ本の数です。私の学校では、図書しつで200さつかりると、1日かん長ができます。私はかん長になってバーコードのピッがしたくて、本をかりるようになりました。本をよんでいるととてもたのしくて、時間があっというまにすぎます。昼休けいも、いつもとしょしつで、本をよみます。とくにすきなのは、サバイバルシリーズで、中でもめいじじだいのサバイバルがとてもおもしろかったです。車もテレビもないじだいにどうやって生きたか、どんなふうに今の日本を作ってきたか、初めてしることばかりでした。とくに、いとうひろぶみといっしょにけんぽうのそうあんをつくったずしょりょうの(かみ)の井上こわしが外国のまねをせずほうりつを作って、かっこいいと思いました。ずしょりょう(かみ)は今の国立国会図書かんちょうの役割です。私は主人公の気もちになって一しょにおこったりかなしんだり、よろこんだりします。本は私に色んなことをおしえてくれる友だちです。これからもたくさんの本をよみ、いの上こわしのようにほうりつを作ってみたいです。

本部門賞「絵本のよみきかせがくれるもの」

岡田 静香 さん

私が1日の中で好きな時間。それが子ともに絵本を読む時間です。我が家では寝る前に娘が選んだ絵本を2冊読んでいます。娘は絵本が大好きで、毎日いろいろな絵本を持ってきます。その中には、私が幼少期に好きだった本も混じります。不思議なことに昔好きだった本を声に出して読んでいると、その本を読んでもらったときの記憶が蘇ることがあるのです。記憶の中の私は幸せな気持ちです。好きな絵本を母に読んでもらえる時間を存分に味わっています。
 母には私を含めて5人の子どもがいます。その子たちの世話をしつつ、家事をこなし、仕事にも行きます。それがどれほど大変なことだったか、私は自分が母親になってから気づきました。それでも母は私たちを寝かしつける前に1人1冊、絵本を読んでくれていました。それが母なりに考えた、短い時間でも子ども達と向き合う方法だったのでしょう。
 娘のために始めた絵本のよみきかせでしたが、今となっては私も幼少期の幸せな記憶をみつけにいく楽しみな時間となっています。

書店部門賞「とっとりからシブヤ NYへ」

芳賀 ひとみ さん

 それは、この本屋の奥で私を待っていた。そう、待っていたとしか思えない。表紙の赤い傘が目にとび込んできて思わず手に取った「ソール・ライター」写真集。NYのファッション業界で活躍した後、晩年はその洗練されたアングルと浮世絵に魅了されたセンスで住まいの周りをひたすら撮影したカメラマン。「あー、どうして知らなかったんだろう」目がまさに釘づけ!実際に観てみたかった、日本での展示はすでに終了、次の予定はない。会えないと、それはより私の中で大きくなっていった・・・。2年後の東京在住、何げなくつけた日曜美術館で彼の特集が目の前に!ドキドキが止まらなくなる。ついに!!渋谷BUNKAMURA!ドキュメンタリーも楽しめたのだ!!終始笑いが止まらなくなる・・・。ここに連れて来てくれたのは、何をかくそう店主の魔法がアチコチに潜んでいる鳥取の定有堂書店、あの日の出会いを私は忘れない。再び鳥取に戻れた事にも感謝だ。何たって鳥取の本を囲む環境はピカイチ。魔法使いが大勢いる。こうしてワクワクはワタシを形作っていく。次は、そうNYGO

図書館部門賞「餅は餅屋の実感」

衣笠 隆昌 さん

 我がライフワークの一つに、故郷の方言メモがある。この中に、野草の名前と正式な名称を野草図鑑で調べたものがある。カエル草はママコノシリヌグイ・ヒヨコ草はミミナグサ・トンボ草はツユクサと判明したが、ホタル草はいくら調べても解らず、一年余の懸案事項であった。過日八頭町立郡家図書館に調べに行った。あれこれと図鑑を見ていると、館員の方に「何をお探しですか」と声をかけられた。理由を話すと、方言辞典を持ってこられるなど、色々調べて頂いたが解からなかった。後日、写真を届けて三日ほど後であった。「それらしき草の名前が判明した」という電話で図書館に行き「ツメクサ」の名を聞いた。我が一年余の懸案も僅か三日で解決である。昔からある「餅は餅屋」の格言を実感する事になったが、郡家図書館の方には大変お世話になり、心からお礼を申し上げる次第である。感謝・感謝であります。(利用した図書館:八頭町立郡家図書館)

第4回「本、書店、図書館にまつわるエピソード大賞」について

受賞作一覧(pdf:916.9KB)