大江賢次(おおえ けんじ)
大江賢次(小説家 1905~1987)
日野郡溝口村宮原(現在の伯耆町宮原)に生まれる。
溝口尋常高等小学校時代に、恩師・池田亀鑑(日南町出身)に励まされ文学の道を志す。卒業後は貧困生活を送りながらも、上京してからは武者小路実篤・水上滝太郎の知遇を得、片岡鉄兵の援助を受けその影響でプロレタリア思想に傾倒した。特に雑誌『改造』の懸賞小説に二等入選した「シベリア」は出世作となる。
戦後は、山陰地方を舞台として描いた代表作『絶唱』が3度映画化・5度テレビドラマ化され、国民的な作品となった。映画の2・3作目(昭和41年/昭和50年)は、西河克己(智頭町出身)が監督をつとめた。
ここでは、大江賢次の著書と関連資料について紹介します。
大江賢次著書
ここでは主な作品集と作品掲載雑誌を紹介しています。
戦前
『移民以後』(新潮社、1939年)
『我らの友』(春陽堂書店、1939年)
『愛憎の花』(六藝社、1939年)
『道化の町』(作品社、1939年)
『三人の特務兵』(改造社、1939年)
『満洲国前夜』(東亜公論社、1939年)
『ペンギン茶房』(教材社、1940年)
『湖沼戦區』(河出書房、1940年)
『新春譜』(昭和書房、1940年)
『希望の灯』(河出書房、1940年)
『真実の糧』(昭森社、1940年)
『逞しき生存』(万里閣、1941年)
『われら如何に生くべき』(河出書房、1941年)
『ゆふがほ物語』(輝文館、1942年)
『微笑』(昭森社、1943年)
『ジャワを征く旗』(朝日新聞社、1943年)
大江賢次/解説,南政善・松田文雄/画『ジャワの戰ひ 大東亜戰爭繪巻』(1944年)
『陸海協力』(八雲書店、1944年)
戦後
『故郷を愛した女』(世界社、1947年)
『山川草木』(大日本雄辯會講談社、1947年)
ドストエーフスキー/原作、大江賢次/著『薄幸の少女』(偕成社、1954年)
『集團』(東方社、1956年)
『絶唱』(大日本雄辯會講談社、1958年)
『アゴ傳』(新制社、1958年)
『絶唱』(講談社、1960年)
『捕鯨船』(弘文堂、1965年)
『絶唱』(集英社、1966年)
『昇華』(講談社、1968年)
『望郷』(牧野出版、1969年)
『望郷』(牧野出版、1972年)
『ダム食虫』(東邦出版社、1974年)
『故旧回想』(牧野出版、1974年)
『絶唱』(講談社、1975年)
『小雪』(講談社、1976年)
『絶唱』(講談社、1981年)
『傘壽抄』(牧野出版、1985年)
『句帖』(1987年)
『絶唱』(河出書房新社、2004年)
大江賢次の関連資料
ここでは、賢次に関する資料のうち、主なものを紹介しています。そのほかとっとりデジタルコレクション「郷土人物」大江賢次から調べることができます。
図書
中野好夫/編『十人の探検家』(牧書店、1951年) ※「ヒマラヤを越えて」所収
『近代映画 1月号臨時増刊』(近代映画社、1976年)※山口百恵『絶唱』特集号
牧野和春/編『因伯春秋 創刊号』(牧野出版、1976年)※「因幡と伯耆」所収
牧野和春/編『因伯春秋 第2号』(牧野出版、1976年)※「灘の恩恵」所収
牧野和春/編『因伯春秋 第4号』(牧野出版、1976年)※「随想・金山寺みそ」所収
『日本プロレタリア文学集18』(新日本出版社、1984年)※「煙草密耕作」「軍需工場」所収
『地平線第2号』(地平線の会、1987年)※大江賢次追悼特集
『鳥取NOW 第57号』(鳥取県広報連絡協議会、2003年)※絶唱について
『大江賢次 生誕100年特別展』(米子市立図書館、2006年)
三田文学編集部/編『創刊一〇〇年三田文学名作選』(三田文学会、2010年)※「煙草密耕作」所収
『郷土出身文学者シリーズ特別編 とっとり文学の情景』(鳥取県立図書館、2015年)
『郷土出身文学者シリーズ10 大江賢次』(鳥取県立図書館、2016年)
映像・録音作品
※VHS・DVD作品は館内のブースでご覧いただけます。
『絶唱』(滝沢英輔/監督、小林旭・浅丘ルリ子/主演、1958年版)VHS作品
『絶唱』(西河克己/監督、舟木一夫・和泉雅子/主演、1966年版)DVD作品
『絶唱』(西河克己/監督、三浦友和・山口百恵/主演、1975年版)DVD作品
(コロムビアミュージックエンタテインメント、2008年)CD、「絶唱」所収
関連リンク
大江賢次について書かれた文献のリストを見ることができます。
大江賢次文庫(米子市立図書館ホームページ)
単行本、未発表小説の生原稿、小学校時代の絵日記や俳句作品など貴重なコレクションです。