尾崎翠(おさき みどり)
尾崎翠(小説家 1896~1971)
岩井郡岩井宿(現在の岩美町岩井)に生まれる。大正8年(1919年)日本女子大学国文科に入学し、デビュー作「無風帯から」を『新潮』に発表。大学を退学した後も創作活動に取り組み、『婦人公論』や『女人藝術』など、多くの雑誌に作品や映画評論が掲載された。また、大正11年(1922年)に鳥取で結成された水脈社(すいみゃくしゃ)の同人となっている。
昭和7年(1932年)に帰郷後は表立った活動を行わなかったが、独特の不思議な作風で関心を集め、近年再評価が進み多くの読者を魅了している。
ここでは、尾崎翠の著書、翠について書かれた図書、書簡などの特別資料について紹介します。
尾崎翠著書
『第七官界彷徨』(啓松堂、1933年)
『アップルパイの午後』(薔薇十字社、1971年)
『アップルパイの午後』(出帆社、1976年)
『第七官界彷徨』(創樹社、1980年)
『不思議の国のララ』(メタローグ、1999年)
『迷へる魂』(筑摩書房、2004年)
『片想いの恋人』(新風社、2007年)
『尾崎翠全集』(創樹社、1979年)
『ちくま日本文学全集 020 尾崎翠』(筑摩書房、1991年)
『定本 尾崎翠全集』全2巻(筑摩書房、1998年)上巻 下巻
『ちくま 日本文学 004 尾崎翠』(筑摩書房、2007年)
『第七官界彷徨』(河出書房新社、2009年)
津原泰水『琉璃玉の耳輪』(河出書房新社、2010年) ※尾崎翠原案
『第七官界彷徨』(岩波書店、2014年)
作品掲載図書・雑誌・新聞
杉森留三/著『白魂』(杉森一三、1934年)掲載作品:序文
『水脈』女性作品号(水脈社、1924年3月)掲載作品:「花束」
『新興芸術研究』第2輯(刀江書院、1931年6月)掲載作品:「第七官界彷徨の構図その他」、「第七官界彷徨」
『家庭』第1巻第4号(大日本連合婦人会、1931年9月)掲載作品:「歩行」
『文学クオタリイ』1(大盛堂書店、1932年2月)掲載作品:「歩行」
『情脈』第3巻第11号(鳥取短歌会、1933年10月)掲載作品:「微笑花世」
『曠野』第14年第5号(村田豊吉、1933年11月)掲載作品:「神々に捧ぐる歌」
『曠野』第15年第4号(村田豊吉、1934年4月)掲載作品:「春の短文集」
『情脈』第4巻第4号(情脈社、1934年3月)掲載作品:「もくれん」
『因伯時報』1914年11月5日付 掲載作品:「山脈」(短歌7首)
『因伯時報』1915年5月30日付 掲載作品:「因幡の海」(短歌9首)
『因伯時報』1933年1月1日付 掲載作品:「杖と帽子の偏執者-チャアリイ・チャップリンの二つの作品について」
『因伯時報』1933年9月29日付 掲載作品:「新秋名果」
『日本海新聞』1941年7月5日付 掲載作品:「大田洋子と私」
尾崎翠について書かれた文献
ここでは、尾崎翠について書かれた文献のうち、主なものを紹介しています。
山下清三『鳥取の文学山脈』(鳥取市教育福祉新興会、1980年)第7章「前衛文学の花 尾崎翠」
群ようこ『尾崎翠』(文藝春秋、1998年)
『尾崎翠作品の諸相』(専修大学大学院文学研究科畑研究室、2000年)
土井淑平『尾崎翠と花田清輝 ユーモアの精神とパロディの論理』(北斗出版、2002年)
寺田操『都市文学と少女たち 尾崎翠・金子みすゞ・林芙美子を歩く』(白地社、2004年)
水田宗子『尾崎翠 『第七官界彷徨』の世界』(新典社、2005年)
塚本靖代『尾崎翠論 尾崎翠の戦略としての「妹」について』(近代文芸社、2006年)
『尾崎翠 モダンガアルの偏愛』Kawade道の手帖(河出書房新社、2009年)
『江古田文学』No.71 特集 尾崎翠と林芙美子 今甦る、女性作家たち(江古田文学会、2009年)
日出山陽子『尾崎翠への旅 本と雑誌の迷路のなかで』(小学館スクウェア、2009年)
川崎賢子『尾崎翠 砂丘の彼方へ』(岩波書店、2010年)
『尾崎翠フォーラム報告集』vol.1~12(尾崎翠フォーラム実行委員会、2001~2012年)
『郷土出身文学者シリーズ7 尾崎翠』(鳥取県立図書館、2011年)
寺田操『尾崎翠と野溝七生子』(白地社、2011年)
『翠の宇宙』(岩美町役場商工観光課、2011年)
山下聖美『女脳文学特講』(三省堂、2012年)
江黒清美『「少女」と「老女」の聖域』(岩波書店、2012年)
『郷土出身文学者シリーズ まんがで読む鳥取県』(鳥取県立図書館、2014年)
石原深予『尾崎翠の詩と病理』(ビイング・ネット・プレス、2015年)
※詳細な参考文献目録は 『尾崎翠フォーラムin鳥取2010報告集vol.10』に掲載されています。
※論文やエッセイなど短いものはとっとりデジタルコレクション「郷土人物」尾崎翠から調べることができます。
※尾崎翠の詳細な年譜は『定本 尾崎翠全集』下巻などに掲載されています。
尾崎翠に関する特別資料
書簡
橋浦泰雄宛 昭和5年4月28日付 橋浦泰雄宛 昭和5年5月17日付 橋浦泰雄宛 昭和5年9月16日付 ※上記3点の書簡については『翠フォーラム報告書2002』のp39~41にて全文翻刻・紹介されています。
小林喬樹宛 昭和39年4月19日付 小林喬樹宛 昭和41年7月9日付 ※上記2点の書簡については『尾崎翠全集』(創樹社)や『定本 尾崎翠全集』下巻(筑摩書房)などに全文が翻刻されています。
原稿
「微笑花世」(昭和8年) 3枚 ※『情脈』昭和8年11月号に掲載された生田花世に関するエッセイ「微笑花世」の原稿です。花世は『情脈』昭和9年1月号に「初冬-尾崎翠氏に寄す-」と題した短歌十首を寄稿しています。
色紙
「歩行」(昭和8年) 1枚 ※短篇『歩行』の一部を直筆で書いたもの。
○特別資料の閲覧を希望される場合は、利用予定日の2週間前までに連絡してください。事前に「特別資料閲覧申請書(PDFファイル50.7キロバイト) 」の提出が必要です。 ○全集等に既に掲載されている資料や、複製や写真がある場合はそちらを御利用いただきます。 ○また、資料の状態によっては利用をお断りする場合があります。あらかじめ御了承ください。 |
関連リンク
とっとりデジタルコレクション「郷土人物」尾崎翠(鳥取県立図書館ホームページ)
尾崎翠について書かれた文献のリストを見ることができます。
毎年7月に鳥取で行われている「尾崎翠フォーラム」の実行委員会が運営するホームページ。フォーラムの記録や尾崎翠に関する書籍紹介が掲載されています。