Biz TALK Voice 4 きみのいばしょサイエンス＆ソーイング教室

きみのいばしょサイエンス＆ソーイング教室は2022年２月２２日創業、そして11月から本格的に教室がスタートした居場所型の習い事教室です。ご家族が図書館で手に取られたチラシがきっかけで、鳥取県よろず支援拠点による支援につながり、ホームページの作成など創業のために準備される中で、図書館の資料を利用していただきました。やまさきさんにこれまでのあゆみをお聞きしました。

創業のきっかけ

もともと中学校の理科の教員をしていましたが、数年前に母が他界し、心と体のバランスが取れなくなって休職しました。休職してからは気分が落ち込み気味で、趣味もなかったので家にいることが多くなり、社会から孤立してしまったように感じていました。そんなとき、米子にある裁縫教室を見つけました。自分の立場などに関係なく、毎週通えるところができ、そこでゆったりとした時間を過ごすうちに社会とのつながりを感じることができるようになりました。次第に「もっと縫ってみたい」と思うようになり、教員を退職して福岡県の服飾専門学校に通うことを決断しました。そして、もともと持っていた理科の実験の技術と、裁縫の技術を取り入れた、あたらしいスタイルの居場所型習い事教室を立ち上げました。

人とのつながり―創業までのみちのり

創業するにあたり、心配のあまり周囲から反対されることが多々ありましたが、ある服飾の先生が背中を押してくださったことがきっかけで創業することを決めました。福岡から鳥取に帰ってきてからしばらくは準備期間として過ごしていましたが、その間、地元の役場で勤務させていただき、多くの方とのつながりができました。私の創業のことを知ってくださった町の議員さんに、議員だよりに載せていただいたり、地元のケーブルテレビさんが密着取材の上、特番を組んでくださったりしたことが、役場や地域の方に知っていただく大きなきっかけになりました。みなさんが、日々過ごしている中で、自分が頑張りすぎていることに気づいていないことが多いと思います。仕事や学校、家事などが忙しすぎて自分の時間がとれない方のために、自分だけの大事な時間をここで過ごしてほしいと思っています。その他、新しく習い事がしてみたい、趣味を見つけたい、人と交流する場を探している方など理由は様々でよいと思います。ぜひ、一緒にワクワクしたり心安らいだりする時間を過ごしましょう。

産業支援機関や図書館との出会い

私の姉が図書館によく通っていて、ビジネス関連の本やチラシをよく持ってきてくれましたが、それがすごく助かりました。私は本を読むのが苦手で、あまり図書館に行かないタイプなので...。鳥取県よろず支援拠点さんの事や、有益な情報を図書館で手に入れることができました。私は姉を通して情報を得ることができましたが、図書館にあまり行かない人にも情報を知ることができるルートがあるといいなと思いました。図書館からの情報を得ることがなかったら、鳥取県よろず支援拠点さんのことも知らずに、ホームページを作ることも、SNSの利用も断念していたと思います。よろず支援拠点さんはインターネットで調べる情報よりも確実な情報を持っていらっしゃるので、信頼して相談することができました。さらに現在の業界情報や今後の戦略など、様々なアドバイスを受けることができました。

苦労したこと

創業するにあたり、創業計画書を作成したのですが、この事業の趣旨、事業内容、どのように運営していくのかなど、事業に関わる方に納得していただけるよう説明することに最も苦労しました。また、今までにない取り組みですので、理解していただくのに時間もかかりました。もう一つは安全管理について調べたり、消防などの各種機関に確認をしたり、調査や確認・書類作成等の全ての手続きを自分が行うということもとても大変でした。難しいことが沢山ありましたが、自分がやりたいことを実現するために頑張れました。

よかったこと

オープン前に、レンタルスペースやコミュニティ施設などでイベントを行いました。私はみなさんが喜んでいる姿を見るのが大好きで、わくわくドキドキしている姿を見ると頑張れます。昔から自分自身が面白くないと思う授業をするのが嫌で、夜遅くまで授業計画を作成したり、資料もわかりやすくするよう工夫していました。その経験から、イベント前にもしっかりと準備を行うことができました。「休日などに出かける場所が少ないので、こういった教室があってうれしい。」と言ってくれる人もいらっしゃいました。今後もさまざまなことを展開していきたいと思っています。

教室の雰囲気

大きな扉や窓は木枠で温かみがある雰囲気にしました。専門学校で学んだ色彩の知識も生かしながら照明や壁の配色も決めました。工務店さんの協力もあり、私が思い描いていた通りの教室ができあがりました。また、知り合いの方々が「きみのいばしょでよかったら使ってください」と家具や材料を譲ってくださいました。沢山の方々の協力で、きみのいばしょができあがりました。きみのいばしょ教室の外には、沢山の木やお花、芝生もありますので天気が良い日は、野外活動をしたり芝生で遊んだりもしてみたいと考えています。きみのいばしょ (6).png

今後について

経営していく中で、みなさんが使いやすく、利用しやすい形を作っていきたいです。近場の人しか来られないことや内容が限られていることもあるので、もっとたくさんの方が利用できる多様性のある場所にしたいと考えています。また、県外の方たちも参加できるように、今後はオンライン授業も考えています。さまざまな悩みを抱えてる人が話し合える場所にもなったらいいなと思います。まず、教室を素敵なものにしていくのはもちろん、今後の夢はファッションショーや星を見る会、マルシェなどもできたら良いなと考えています。

読者へ向けて

自分一人で考えている時間は答えが出なくてとても苦しい時間になるため、私は専門家に相談したり、図書館に行って調べたりすることが大事だと思います。インターネットで調べるのにも限界があったり、信憑性がなく危険な情報だったりするので、専門家に頼ったり、公的機関に頼むことが大切だと思います。一人で悩んでいる人に伝えたいのは、分からないことがあったらすぐ聞くことです！何日も悩んでいることも5分で解決することがほとんどです。