Biz TALK Voice6 日華ふれんず
日華ふれんずは鳥取県内に住む様々な国の方たちが、鳥取県で安心して暮らせるようにサポートされている団体です。主に鳥取市国際交流プラザで語学教室や翻訳、通訳、多文化共生交流会などを企画・運営されています。台湾に関連した新しい取組を計画するために2020年6月に鳥取県立図書館の企業経営なんでも相談会に参加され、台湾・台中市の高級烏龍茶をアレンジした「梨山梨茶(なしやまなしちゃ)」の開発にあたり図書館を活用していただきました。代表の川口さんと企画・広報担当の杉島さんにこれまでのあゆみをお聞きしました。
創業のきっかけ
私(川口)は、28年前に東京から、夫のふるさとである鳥取へ移住しました。その2年後、鳥取市国際交流プラザが設立される際に中国語が話せる職員として勤務することになり、8年ほど働きました。勤務して、行政機関ではできることに限りがあるということに気付き、行政機関にできない外国人の手助けをする活動をしていきたいという気持ちが芽生え、独立を決心しました。私は鳥取大学で非常勤講師もしていたので、様々な国の語学の先生方に相談し、私の考えている事業に賛同していただくことがきました。その後、「日華ふれんず」を立ち上げ、賛同していただいた大学の先生にもスタッフとなっていただき、同じ志の人たちの支えによって事業をスタートすることができました。日本と台湾との交流を意識し、「日華ふれんず」の"華"は台湾をイメージしました。
これまでーそしてこれから
約17年間、鳥取市の若桜街道に事務所がありましたが、さらに多くのみなさんが集まりやすい場所にしたいと考えて移転することにしました。2022年4月からは国際交流プラザの一室をシェアオフィスにし、誰もが集まれる場所になりました。語学教室や翻訳、通訳のほか、多文化共生のための講演会を公民館や中学校などで開催する活動も行っています。
産業支援機関や図書館との出会いー商品開発のきっかけ
2020年頃に台湾に関係した新しい事業をしたいと考えていましたが、具体的なことはなかなか決まりませんでした。その時、情報収集のために図書館のイベントチラシを見ていたところ、図書館で経営相談ができることを知りました。もともと「日華ふれんず」は非営利の団体でしたが、可能であれば会社組織にしていこうと考えていました。しかし、これまで商売をしたことがなかったため、どのようにして経営していけばいいのか分かりませんでした。そのため専門家に相談させていただきたいと思い、図書館の相談会に参加することにしました。
中小企業診断士さんや日本政策金融公庫の職員の方に相談をしていく中で、様々な気付きがありました。例えば、国内で台湾関連の商品はあまりなく、独自のものが出せるのではないかということをアドバイスしていただきました。商品の開発前は、鳥取県内に住む様々な国の方たちをサポートすることが一番の目的でしたが、コロナ禍でほとんど活動ができず、語学教室でもグループレッスンが中止になってしまったため、コロナ禍において、自分たちも次のステップに進みたいと思ったことが、商品開発をするに至った大きなきっかけでした。
商品開発までのみちのり
中国茶(実は中国茶と呼ばれるものの8割は台湾産です。)をたくさんの方に知っていただくために「日華ふれんず」では定期的にお茶の教室を開いていましたが、お茶は私たちにとって特別なものでしたので、好きなものを販売したいと考えるようになりました。お茶の販売について調べていくうちに、「梨山烏龍茶」を使ってみることにしました。鳥取県と友好都市である台湾の台中市には「梨山」という地域の名前が付いた高級烏龍茶があり、そのお茶と鳥取県特産の梨である「二十世紀梨」の皮を組み合わせるとおもしろいのではないか?というアイディアが浮かんできました。そこでお茶を共同開発していただける企業を探していきました。湯梨浜町にある「ぱにーに」さんは、紅茶と梨を組み合わせたハーブティを販売されていたため、開発を依頼したところご協力いただけることになりました。様々な方の手助けをいただいて生まれた商品が「梨山梨茶」です。2020年の10月頃から商品化に向けて準備し、2021年3月に完成しました。
「梨山梨茶」
台湾の「梨山烏龍茶」は高級なお茶のため、香り高く、開発当初は鳥取の梨の香りがお茶に負けてしまっていました。もともと完成されたお茶を、どのようにブレンドすればさらに、フルーティでおいしい仕上がりになるのかを考え、何度も配合を変えて改良しました。高級茶の味を損ねないよう梨の香りと烏龍茶の香りのどちらもよく香る組み合わせを考えるのが一番難しかったです。また、「梨山梨茶」のパッケージデザインは私たちの好きな色を組み合わせて、目を引くカラフルなデザインにしました。
「梨山梨茶」はお茶としては珍しいドリップ式です。日本のウーロン茶と違い、色は緑茶に近いです。抽出までに時間をかけるお茶であり、熱めのお湯で3分以上蒸らすことで、味や香りが広がります。1バッグで3回分ものお茶が楽しめます。
商品開発をしてよかったこと
お客様から「美味しかったです」「香りがいいですね」「ラベルが素敵で見ているだけで幸せな気持ちになれます」など、とてもうれしいお言葉をいただきました。コロナ禍で様々な交流会がなくなってしまい、3年もの間、台湾を知ってもらう機会が減ってしまいましたが、これを機に台湾に興味を持っていただきたいです。また2022年2月からは、「鳥取・台湾ファンクラブ」を作り、入会していただいた方に「梨山梨茶」をプレゼントする取り組みも行っています。
今後の取り組み
今後は商品のさらなる改良を考えていますが、新しい商品も開発したいと考えています。「日華ふれんず」は、今後も台湾を知ってもらうための講演会やイベントを開催していく予定です。
また、「鳥取・台湾ファンクラブ」の運営も行っていきます。メールで月に一回情報発信をしています。2022年2月から募集して現在のファンクラブの人数は900人になりました。ファンクラブの人数1000人を目標に広報していきたいです。台湾は優しい方たちがたくさんおられるので、ぜひファンクラブに加入していただき、さらに台湾のことを知って好きになっていただければ嬉しいです。
読者へ向けて
図書館は知識の宝箱のようなもので、私自身(川口)も図書館で勉強し、仕事に役立った経験があります。みなさまの人生のステップアップのためにもぜひ利用してみてください。まずは図書館に飛び込んで図書館職員に声をかけてみてください。図書館は無料ですので積極的に使ってみてはいかがでしょうか。
「梨山梨茶」販売場所
鳥取市 喫茶店「麒麟カフェ」、イヌイ薬局、台湾料理のお店の「台湾屋台」、五臓圓カフェ「いとま」などで販売中。
倉吉市 倉吉駅横プラザ、倉吉ワイナリーにて販売中。
そのほかインターネットでも販売中。詳しくはホームページ、SNSをご覧ください。
日華ふれんず公式ホームページ
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