令和7年度第3回鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会 結果概要 令和7年12月16日 鳥取県立図書館 1 日時  令和7年10月31日(金)10時から正午まで 2 会場  鳥取県立図書館2階 大研修室 3 出席者 委員13名(2名欠席、1名交代)、オブザーバー1名 4 議事 (1)報告事項 第2回鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会(書面)の開催結果について 令和7年度第1回鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会(以下、「協議会」という。)での意見を踏まえた計画の改訂について(資料3−2)、計画の基本的な考え方(資料3−3)について書面で意見を伺った結果、15名中11名が事務局案を了解され、4名から意見をいただいた。県立図書館が資料3−1により説明し、いただいた意見については協議事項の中で合わせて説明した。   ※以下、「資料(数字)」とあるのは、全て当日の配布資料を示します。 (2)協議事項 「鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画」改訂案について  ア 事務局による説明 県立図書館が資料3−3により基本的な考え方と計画の構成、資料4により計画のたたき台について説明した。  イ 質疑応答(報告事項と一括して行った。) (ア)議長による補足の説明 ・ この第2期計画の特徴として、前半に総論的に鳥取県の学校の障がい児の数等、実情や活動、様々なものが記載されバージョンアップされたと感じている。 ・ 基本的な計画は、アクセシブルな資料の話、その資料を提供するサービスの方の話、アクセシブルな読書環境の普及啓発という三本の柱に集約されている。その形が鳥取県の特徴であり、わかりやすく具体的になっている。 ・ 国の読書バリアフリー基本計画は法律(読書バリアフリー法)の条文に沿った次のような構成となっている。   ・9条の図書館や点字図書館の役割   ・10条のネットワークを活用したサピエ図書館・みなサーチの充実   ・11条の点字図書館や公共図書館による資料製作の充実   ・12条の出版社によるアクセシブルな電子書籍の刊行促進 ・13条の障がい者サービス用資料を世界で共有しようというマラケシュ条約について。実際は皆さんが作られている様々な資料が、サピエやみなサーチを通じて世界に提供されている。   ・14条の端末機器を入手するための情報提供や入手支援   ・15条の利用者自身が端末機器を使いこなすための技術習得支援   ・16条の研究開発。これは国の事務。   ・17条の音訳者、点訳者などの製作人材の育成と確保と図書館職員の育成。 ・ 鳥取県の第2期計画では、国の基本計画で条文ごとに位置付けられている事柄が、説明のあった三つの柱の中にそれぞれ盛り込まれていると考えられる。   (イ)質疑 ○計画の対象者について (議長)鳥取県では視覚障がい者等の障がい者だけでなく、特に高齢者などを念頭に置いて幅広くやっていきますということが打ち出され、皆さんも全く問題ないと考えているが、書きぶりはより分かりやすくするなど工夫がいるのではないか。 計画の対象者について、聴覚障がい者にも紙に印刷された一般的書籍による読書に困難がある方はいらっしゃるが、国の会議では対象とすることが難しかった。鳥取県では聴覚障がいなども含めますとなっているので、それでいいと思う。 また、対象を追加する理由に、高齢者も含めて図書館へ行くことが困難な人たちへの配慮を行うという趣旨の記載が欲しい。 ○視覚障がい者が使用するタブレットについて (議長)第2章の「鳥取県における読書バリアフリーの現状と課題」の「第1期計画について」中に「視覚障がい者用タブレット」とあるが、「視覚障がい者用タブレット」というものはないのではないか。表記を変更して欲しい。 質問だが、鳥取県ではタブレットの購入などについても、福祉の助成などがあるのか。 (障がい福祉課)県障がい福祉課に、音声で案内のタブレット、携帯電話、パソコンに対して、1回限りではあるが、日常生活用具の助成で対象にならないものについて、障がい者手帳をお持ちの方に補助している。障がい者手帳があれば、3級でも申請していただけるという制度になっている。 (委員)それは違うのではないか。携帯電話というか、名目は視覚障がい者用通信装置ということになっているが、これが日常生活用具で支給されるのは障がい者手帳1級・2級所持者であって、あくまでもこれは市町村が主体の日常生活用具への支援制度。これに該当しない人について、県の障がい福祉課がスマートフォン、携帯電話に関して3万円の支援をしているだけ。日常生活用具の助成対象になる障害者手帳1級・2級の人は日常生活用具の助成制度を利用して下さいというもの。 (議長)市町村で出せるものは市町村で助成し、拾えないもの、対象にならないものを県の方で支援しているという認識でよいか。 (障がい福祉課)委員がおっしゃったとおりでよい。 (議長)これは素晴らしい取り組みである。 ○読書バリアフリーに関する問い合わせへの対応について (議長)第2章の「鳥取県における読書バリアフリーの現状と課題」の「第1期計画について」中の主な取組に、ライトハウス点字図書館は、市町村図書館から照会があった場合に十分に話を聞き取って支援していますという記載があるが、県立図書館への問い合わせはないのか。また、ライトハウスでは、市町村図書館や学校から問い合わせがあるのか。 (ライトハウス点字図書館)ライトハウス点字図書館がマルチメディアデイジーの普及に力を入れ、チラシを県内に多数配布しているため、市町村立図書館の司書から地域の読書に困り感のある保護者や子どもの相談にのってもらえないかという相談は結構ある。また、ライトハウスがマルチメディアデイジーの普及に力を入れていることを県内の学校関係者もよく知っていて、最近は、市町村立学校の特別支援学級の担任の先生から、機材を貸してほしいという問い合わせも入ってくるようになっている。 (議長)ライトハウス点字図書館がマルチメディアデイジーの普及活動をされ、問い合わせが増えているのは素晴らしいことだと思う。県立図書館にもアクセシブルな資料に関する相談等があるのではないか。県立図書館や市町村立図書館も問い合わせ等に対応していますということは大切だと思う。 (図書館)市町村立図書館などから相談いただいている。利用者から、直接問い合わせがあることもある。この部分については、実態に合わせた記載となるよう調整したい。 ○アクセシブルな書籍等を利用するための端末機器などの貸出減少について (議長)現行計画の「成果と課題」の成果に記載されているアクセシブルな書籍等を利用するための端末機器などの貸出が減り、新規の利用が伸び悩んでいることは事実だと思うが、県立図書館には問い合わせなどがきちんと来ていると思うので、もう少し前向きな書きぶりにしてもよいのではないか。 ○現行計画の計画の対象・方向性に関する課題について (議長)現行計画の「成果と課題」の課題のうち「計画の対象・方向性」の記載は、従来の障がい者を特定してその人だけに支援するというような考え方ではなく、社会全体が誰もが使えるようにバリアフリーになっていくというところを目指すという内容であり、国の計画もそこまで踏み込めていない。重要な指摘になると思う。より分かりやすい表現を工夫してはどうか。 ○ボランティア減少の理由について (議長)現行計画の「成果と課題」の課題のうち「環境整備」に、「高齢化でボランティアの減少が進んでいます」とあるが、多くの時間を必要とする音訳ボランティア活動の時間の確保の困難さ、生活のゆとりの減少も大きな原因ではないか。もう少し何か付け加える等、書き方を考えていただきたい。 ○電子書籍に関する記述について (議長)「アクセシブルな書籍である電子書籍」と書くと、電子書籍が全部アクセシブルだと思ってしまう。電子書籍であればアクセシブルということは全くない。「アクセシブルな電子書籍を積極的に収集する」のような記載にしていただきたい。 ○計画の対象者数について (議長)計画の主な対象、対象者数の統計に添えて、統計より多いと考えられるといった記載があるが、もっと本当は多いということがわかるようにしていただきたい。例えば、視覚障がいの手帳を持ってる人は全国32万人くらいと言われているが、眼科医会などでは目が不自由で読書に困難のある人は140万人と言っている。視覚障がい者だけを取ってもそういうことだから、この書き方を見直してはどうか。 (図書館)議長の御意見のように、対象者が何人いるかということを統計的に確認することは難しい。記載している手帳の所持者や特別支援学校に通っている人数というのは、重複も多いと考えられ、また、高齢者数には全く健康で何の不自由もない方を含む人数となっている。統計は、読書支援が必要な方の人数の目安を把握するために掲載している。統計で分かるだけでも、これぐらいの方がおられるということがわかるような記載を検討したい。 (議長)そのように考えていただければと思う。ただし、例えば児童生徒数で知的障がい等が増えている、視覚障がい者の数は横ばいか減っているなど大まかな傾向というのが見えるので、そういうことも大切。統計データは色んなことを考える上で大切である。 ○計画の推進体制について (議長)計画の推進体制に県の福祉と教育委員会の日常的な連携をということが書いてある。用語の問題だが、福祉とライトハウスが載っているので、教育委員会と図書館という表現が良いのではないか。大きな連携として教育委員会と福祉部局というのはわかるが、具体的にはライトハウスや公共図書館などが担うところがある。図書館という単語を入れていただければ。 また、関係する会議や団体などにこの会議のことが書いてあるが、会議の説明に読書バリアフリー計画の作成を支援しますのような、「私たち頑張ってますよ」ということを可能なら記載してほしい。 ○施策体系の樹形図について (委員)施策の体系が、文字列で記載されておりパッと見た時に分かりにくい。表にするなどわかりやすくしてはどうか。計画の方向性を検討した第一案のときは樹形図であった。難しさはあると思うが、樹形図にした方がわかりやすいかと思った。 (図書館)墨字版と音声読み上げ可能なテキスト版がなるべく同じになるよう、皆さんに同じ資料を見ていただきたいと考えてこの形にした。今後もなるべく共通した資料を見てもらいたいが、あまりにも見にくいということがあれば、工夫する。 ○ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等の製作について (議長)アクセシブルな書籍等の製作人材確保・養成に関連して、ライトハウスは地域のボランティア団体に助言・指導を行うとあるが、ライトハウスに図書館自体で活動している音訳者・点訳者というのはいないのか。 (ライトハウス点字図書館)ライトハウスの養成講習会を卒業された方がボランティアグループを立ち上げたり、桑の実会など独自で養成講習会を開催しているグループもある。県内のボランティアグループとライトハウスは連携し、情報共有しながらアクセシブルな書籍を作成している。ライトハウスとしては、自館・地域関わりなく県内全体の相談に乗っているような状態なので、あえて分けずに、「自館」を消すか、「地域」を消すかしてもらった方がいいかと思っている。 (議長)ライトハウス自体で活動している音訳者はいないのか。ライトハウスにグループが登録しているのか。 (ライトハウス点字図書館)ボランティアグループが、ライトハウスに活動拠点を持って、お互いに連携を取りながらやっている。西部地域は特にそうだが、視覚障がい者東部支援センター・中部支援センターとサテライトを持っているので、そちらにもボランティアの方が来て、点字の指導員等が指導している。あえて「どこそこの」と分ける必要はないかと思う。 ライトハウスで実施しているスキルアップ研修は、県内全域の各ボランティアグループに声をかけてやっているので、あえて自館とか地域とか分ける必要もないのかと思う。     (議長)「地域の」がなければいいということでよいか。 (ライトハウス点字図書館)そうだ。自館というか、県内全域のあらゆるボランティアさんとやっているので。 (議長)理解できた。 ○アクセシブルな書籍等の製作人材確保について (議長)「取組の方向性」に若者を対象にした資料製作というようなことが書いてある。学生ボランティアなどは、バリアフリー図書の体験などから入っていかないと、製作につながらないのではないかと考える。先ず若者に、バリアフリー図書を知ってもらう、関心を持ってもらうということが初めのステップではないか。そういう中から、製作をしてみたいという人が出てきて、してもらうということではないか。方向性として若者にアクセシブルな書籍製作をして欲しいという考え方は良いと思う。 (委員)特に福祉領域や医療領域―看護学生やリハビリテーション専門学校の方は、社会人から新たに勉強したいと志を持って入る方がかなりおられる。そういった中で、「若者」がこの(福祉・医療系の)学生ボランティアを指すのであれば、すごく違和感を感じる。多分、志のある社会人入学の福祉・医療系の学生が一番興味持ってこられると思うので、学生ボランティアが若者を指すのであれば、(その学生は若者とは限らないため)「若者」はいらないのではないか。事務局はどう捉えているのか、お聞きしたい。これは医療関係で働いて得た実感。ボランティアに来てくれる方は、結構、社会人入学の方等がおられる。 (図書館)学生ボランティアも様々である。県の社会福祉協議会でボランティア体験の事業をしているが、昨年でも500人ぐらいエントリーがあり、短期のボランティアから中長期のものまでメニューがある。例えばこれに布絵本の製作やデータの打ち込み等を登録しておくと、希望した学生がやってきたり、或いは若い人がやってきたりということが期待できる。こういうものも活用しながら、取り組みやすい初歩的なものから体験してもらえば、「こういう読書のあり方があるんだ」という経験とともに、ボランティアの入口のドアが開くのではないかと考えて記載している。 また、学校図書館やイベントでバリアフリー図書を展示して体験してもらうこともあわせて行っていければと考えている。 学生ボランティアというより、より幅広に若い世代の人を対象にしてボランティアの機会を提供できるような工夫ができないかという点を趣旨としているので、表現を検討したい。 ○県立図書館・市町村立図書館のアクセシブルな書籍等製作について (議長)アクセシブルな書籍等の製作と製作支援の主な取組に関連して、県立図書館や市町村立図書館で資料製作を行っている図書館に関する記載がない。行っている図書館はないのか。 (委員)倉吉市立図書館は資料製作をしている。 (議長)ライトハウスだけが製作しているのではないと思うので、製作している図書館があるなら、図書館について記載を入れた方が良いのではないか。また、県立図書館は、音訳や点訳をする方へ、「読み」の調査の支援等はしていないのか。 (図書館)昨年度、音訳者へ向けた講座に講師を派遣した。はっきり音訳のための調査と伺わなくても、日常的なレファレンスの一環として、「読み」など様々なことについてレファレンスに応えている。 (議長)レファレンスサービスとして、県立図書館が、点訳・音訳に当たって読みを調べなければいけない場合に支援しているなら、それも記載するのがよい。 ○県立図書館・市町村立図書館の障がい者サービスについて (議長)「障がいの有無や年齢に関係なく誰もが自分に合った書籍等にアクセスできるサービスの充実」に、県立図書館や市町村立図書館が行うべき障がい者サービスを何か記載できないか。例えば、来館が困難な人への郵送貸出や職員による宅配サービス等は、既に実施している図書館もあると思う。図書館へ来館が難しい方々のためにも様々なサービスを行っていると記載があればよいと思う。 (図書館)県立図書館は、既に障害者手帳その他の条件を満たす方への郵送サービスを行っている。市町村立図書館でも、同様のサービスを行っているところがある。記載する場合、図書館でのサービスに関する部分に記載すべき内容かと思う。今後、取り組むことを中心に記載しているので、現状で行っているサービスを継続するという記載が不十分かもしれない。点検したい。 ○学校でのアクセシブルな書籍等の利用支援について (議長)「学校でのアクセシブルな書籍等の利用への支援」関連して、私は「りんごプロジェクト」(図書館に読書バリアフリーのコーナーを設ける)の活動で、全国、特に東京都の特別支援学校に多数訪問しているが、先生方もバリアフリー図書についてご存じないという状態で、バリアフリー図書を使うどころではない状態だったので、鳥取も同様かと思ったが、鳥取の特別支援学校は非常に頑張っているということをお伺いしたので記載はこのままでよい。併せて、地域の小中学校などでは、バリアフリー図書などは知られてなかったり使われてなかったりすることから、普及に努めるということが書いてあるので、これでよいと思う。 (特別支援教育課)特別支援学校については、そのように充実に向かっているところだけれども、地域の学校においてはまだまだ不十分という辺り、この辺りの表現については、また当課の方でも確認させていただきたいと思う。現状についてはご説明いただいた通りだと思う。 (委員)この部分は「学校でのアクセシブルな書籍等の利用支援」を指すか。学校内の図書館に限った取組ではないということを確認したい。特別支援学校以外の先生方はバリアフリー図書などについてなかなかご存じない。 (図書館)学校図書館に限ったことというふうには捉えていない。広く知ってもらい、使われるようになって欲しいということで設けている項目。内容・書きぶりなどについては、精査していきたい。 (委員)承知した。この書きぶりだと学校か、学校図書館に限定かわからない。学校図書館での取組と、授業での取組では、かけ離れているイメージがある。学校全体で取り組むという形でお願いしたい。 結局、発達障がいだけでは、子どもは特別支援学校に行くということはなく、地域の学校に在籍する。在籍数をみれば、かなりたくさんの子どもが、この診断名で市町村立学校に在籍しているが、地域の学校にいる全ての子どもが、この読書バリアフリー法の支援が必要だとは言わないが、学校に1人でも該当者がいて、たまたまその担任がこれを知らないということになると、その子どもには情報は届かないということになる。この部分は、その点を、くれぐれも注意深く、作っていただきたい。 (委員)それに付随して。今、発達障がい、LDという話が出た。発達障がいのみの児童生徒は、市町村立の小中学校等へ通うわけだが、会議の参加者が特別支援教育課の方だけでいいのかと思う。会議の意見が、小中学校にダイレクトに伝える方の出席はいらないのか。 (特別支援教育課)当課から直接地域の学校に指導助言等ができるわけではないということは説明させてもらっている。小中学校の担当課と連携をしているという状況。なお、県立図書館に、小中学校や高等学校、特別支援学校の学校図書館関係の指導等を行う指導主事もいるので、そのあたりとも連携しながら、進めていきたいと思う。この会の参加者については、県立図書館と相談させてもらう。 (議長)問題意識としては皆さんも共通だと思うので、後はどういうふうな書き方、やり方をするかでよいか。 ○市町村でのアクセシブルな書籍等の利用支援について (議長)「市町村でのアクセシブルな書籍等の利用支援」の取組の方向性に、機器の購入助成と市町村の読書バリアフリー計画の策定が並列で記載されているが、それは違う次元の話なのではないか。また、主な取組が箇条書きになっており、他と比べて違和感があるため、これらの書きぶりを検討してほしい。 ○福祉・医療等との連携について (委員)福祉や医療機関と連携・情報発信等について、どのように情報を伝えるのか書かれてない。具体的に書かないと進んでいかないし、情報も必要なところに届かないと思う。提案だが、県立図書館とライトハウスが、県内の関係各所に声をかけて職員に向けて研修等を行えば、自ずと情報が広がるのではないか。 (委員)具体的な相談窓口をどこまで記載するかというのはすごく難しい。先ほど言った学校関係の話とも繋がるが、発達障がい、LDかもしれない人がいきなり役場の窓口に行くことはないと思う。精神保健センターや「エール」(発達障がい者支援法に基づく発達障がいの相談窓口)に行かれる可能性がある。視覚障がいの方とは違う方向で相談をしたり、医療受診をしていく。議長のご意見に「眼科」が出てきたが、私は「医療機関」と出てきたら、パッと思ったのは精神科だった。医療機関と言っても、やはり障がい分野が違うと随分違うということを今回学ばせていただいた。発達障がいを仲間に入れていただけるならば、少し具体的に書いていただいた方がわかりやすいかと思う。 (議長)今の話だが、確かに、障がいによって、どこに行ったらいいかも全部違う。 (図書館)先ほど言われたように、例えば発達障がいには「エール」という県の専門的相談機関があり、それ以外も病気や障がいに応じて、医療機関等相談できるところがある。視覚、聴覚、発達、肢体不自由など様々な病気や障がいについて網羅的に書くと今度はかえってわかりにくくなるという心配もあり、適切な落としどころを調整したい。 ○図書館を通じた情報発信について (委員)日頃、市町村の公共図書館と連携して、地域住民の方向けに「聞く読書」の体験会を行っているが、市町村立図書館の読書バリアフリー担当者から、サピエのシステムを通じて全国の登録館から音声デイジーを借りる具体的な方法等についてよく質問を受ける。市町村立図書館の担当者への研修等を行わないと地域の利用者の増加にも繋がらないのかなと実感している。この辺りが重要になってくるのではないか。 (議長)非常に重要なご意見だと思う。やはり一番数があるのは図書館なので、研修の実施等いろいろ書いてあったと思うが、ぜひお願いしたいと思う。 ○指標について (議長)指標について、目標値をもう少し具体的に数値化してもよいのではないか。数値化して、数字で出せるものは出していただきたい。 ○まとめの質疑 (委員)計画の対象に「認知症等」とあるが、認知症の前に軽度認知障がい(MCI(Mild Cognitive Impairment))を入れてほしい。読書バリアフリーを活用した読書で効果が期待できるのは、認知症と診断が下りた方ではなく、軽度認知障がいの人が多いはず。読書が認知症への移行にある程度ブレーキをかけるので、軽度認知障がいという言葉を必ず入れていただきたいと思う。 (図書館)今すぐに「必ず入ります」というふうにはお答えできない。私どもでも、軽度認知症、認知症の違い、あるいは認知症になっても読書したいという方への対応もあることから、書きぶりや例示で列挙しているものの選択については、引き続き検討させていただく。 (委員)認知症と軽度認知障がいは違う。MCIという言葉も、一般にマスコミでも使われている。これも括弧つきで入れた方がいいのではないかと思う。 (委員)様々な障がいについては、日本障害者リハビリテーション協会が「図書館等のためのわかりやすい資料提供ガイドライン」で触れられている。読書に困難な方で障がいの特性などが書かれてるので皆さんに目を通していただきたいが、精神障がい、高次脳機能障がい、色覚障がい等の記載も含まれているので、対象の例示については専門的な資料、公的に発表されている資料をもとに作っていかれればいいかと思う。 (委員)県立図書館にメールで私の意見を送った。3つの柱に私はとても強い違和感を覚える。3つの柱はいいが、一番大事なのは「誰が」読書バリアフリーの恩恵を受けるのかということ。省いていいのは、普通の本を読める人を今の段階では省き、それ以外の人が「誰が」に該当するということ。これが一番重要。であるなら、3つの柱のうち、これが第1の柱になるのではないか。これがなぜか第3の柱に来ている。第1、第2の柱は、「誰が」に対して、何かを常にこういうふうにサポートするという方策であって、「how」でしかない。Whoが主。この3本の柱の位置付けについて、私は違和感を覚える。検討していただけるのか、今後変えずに行かれるのかは判断。何をするにしても、「Who」が一番問題になる。どういう人たちが対象なのか。それに対してどういうふうにサポートするのかという方法論。「why」「because」「how」。それを順繰りにやっている。でもこれでは、「Why」がなくて、「because」「how」だけが来ている。 (委員)資料の中に「ICTサポートセンター」という言葉が出てくるが、これは委託先の企業を指しているのか。そうであれば、委託先の企業は読書バリアフリーをやっていくということを承知されていると理解してよろしいか。 実際に委託先企業のサポートを受けている方の話を聞くと、音声パソコンの指導、これからiPhoneをちょっと使ってみようかというレベル。読書バリアフリーに関する機器の操作を教えるというレベルではないと思う。私が説明会を行ったときに、読書バリアフリーという読書に関する機器を指導されるのかときいたら、その機械をまったく初めて聞いたと言われれた。だからこういった読書バリアフリーの資料の中で、ICTサポートセンターというふうに出すのは、ちょっと違うのではないか。誤解を招くように思う。 また、先ほど県立図書館からあったが、鳥取県が19市町村のうち11というのはサピエ図書館加盟の市町村が11と理解してよろしいか。 (ライトハウス点字図書館)「点字図書館とICTサポートセンターの連携による」と書いているが、そもそもICTサポートセンターと点字図書館の繋がりが今ない状況なので、連携がない。なので、ライトハウスの意見だが、この読書バリアフリーの会議にICTサポートセンターも入れないとちょっと難しいのでないか。そもそも県立図書館にも意見を電話でお話したときに、ICTサポートセンターはこの計画があること自体をご存じなのかと伝えている。そもそも知ってるかどうか。 (図書館)11とは、サピエに登録している市町村立図書館の数。 (委員)そうすると、ICTサポートセンターと連携というのではなく、サピエに加盟している市町村の公共図書館が、例えば、iPhoneやiPadを使って、ボイスオブデイジー5を使ってのダウンロード方法を覚えて指導ができる。或いは、他の機器を使って指導できるということが現実的であって、今、おそらくこの話を全然ご存じないICTサポートセンターの方を入れるのではなくて、サピエ加盟館と連携を取っていけばいいんじゃないかと思う。サピエ加盟館については、たとえば、次回からオンラインで参加していただくとか。そうするとこの会議の流れがわかるではないか。自分たちが何をしないといけないかということも分かると思う。 (議長)会議に出るか出ないかはいいが、市町村立図書館や県立がもっと頑張りましょうという話は、私は同感なので、何らかの形で情報共有しながらやっていけばいいと思う。ただ、今のICTサポートセンターは、正直に言ってすべての県にまだあるわけでなくて、ほとんどが今のように委託の場合が多い。かなり質に違いがあるだろうということがやはり想定されている。本当は、ICTサポートセンターに求めたいのは個別支援。そういうところまでできるかどうかっていうところは考えて、まずは連絡を取って状況を確認したりとか、この計画で5年間のうちに進めていかれればいいんじゃないか。その文章の書き方、「ライトハウスと連携して」とそこまで書けるかどうかちょっと難しいが、その場合も書き方を考えていただければいいんじゃないか。 (委員)読書バリアフリーについて検討しているわけだが、やはり読書バリアフリーは県民の方に十分広がっていないと思う。女性アナウンサーの方に、「読書バリアフリーってご存じか」と聞いたら、知らなかった。マスコミにいる人でさえ全然知らない。場面に応じて情報発信していくとか、公共性の高いものであれば、NHKなども放送してくれる。令和3年だったか、読書バリアフリーのキックオフの行事があったときにだけ放送があったが、読書バリアフリーってこんなもんですよ、高齢の人でも、読めなくなっても聞くことができて、本にずっと親しめるんですよ。そういう認識を広げていく必要がやっぱりこの会としてあるんじゃないか。 私は今年になってから、数人の高齢の方にこういうものが使えるということで、境の図書館に行って、実際にそちらからのレンタルで機械やデイジーを借りて、こんなに楽しめるんだという感動の声を聞いた。それはもっとたくさんの県民の人ができること。しかし、情報発信が十分じゃないから、今はそこに触れることができないわけで、この会でたくさん検討をやっているが、肝心なのは「Who」、使われる人に情報が届いていないということ。そこが一番大きな問題ではないかと思う。来年度からの5年間の計画案を考えることももちろん大事なことだが、徐々に「Who」対象の人にちゃんと情報が伝わるということが大事だと思う。盛り上がるということではなく、そういう形で徐々に徐々に、右肩上がりに浸透していく、浸透させていく必要性が私たちにはあるんじゃないか。 (議長)とても大切なご指摘だと思う。私たち自身もそうだが、やはり知られていないということが最大の問題だと思うので、もちろん計画もいろいろ変えたが、みんなに知ってもらうための努力を、引き続きやっていかれる、やっていかなくてはならない、私自身もやっていくという話だと思う。   5 その他  今後のスケジュールについて、この後協議やパブリックコメントなどの実施も踏まえて計画改訂を進めていくこと、次回第4回目の協議会は年明け2月頃に開催予定であることを確認した。 2